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この世界の片隅に Comments (20)
貧しく、つましく、境遇に虐げられ、大切なひとが亡くなって、かわいそうで・・・それらを想像していた。
が、悲哀はあるけれど、ユーモアがある。日本の戦争映画で、脱力と滑稽さと自嘲のパーソナリティをもった女性を、はじめて見た。
負け戦なわけだから、どのみち不幸せになるのが、戦火の日本女性であり、その十把一絡げのヒロイン像が染みついているゆえに、個性的な自我をもったすずが、とても画期的に見えたわけである。
戦争映画のみならず、日本映画に描かれた女性──その広い視野でさえ、すずは、おそろしく独特なキャラクターだった。
加えて、かれらの銃後も画一的な描き方とは180度異なっていた。
封建主義が介入せず、すこしも男尊女卑におとしめない──優しさとリアリティがあった。リアリティを体現するために、かならずしも過酷や悲惨へ振る必要はないと、このドラマは言っている──はずである。
かんがみれば周作も水原も、日本映画に有り得なかった、粋とシャイと美意識をもった男であると思う。すくなくともわたしたちは戦時中の家庭に、封建的=亭主関白な様態しか見たことがなかったからだ。
見たことがないのは、キャラクタライズがなされたことがないから。現実は多様であるはずなのに、ドラマには典型が用いられるから──である。
すなわち、おおげさかもしれないが、この原作/映画は、第二次世界大戦中の日本人のキャラクターにはじめて人格を与えたドラマだった。そこに価値があると思う。
ただ、個人的に、戦災児だった野坂昭如に比べると、周到に監修されているとはいえ、戦争ものでフィクションというのは、ちょっと引っかかる。1917でラストにfor lance corporal alfred h. mendes/1st battalion kings royal rifle corps/who told us the storiesと出なかったら、ちょっと憂慮したかもしれない。
戦争にフォーカスした映画ではなく、一番被害にあった広島市の近くの呉市の話。
他の戦争がメインの映画とは違って他の地域の物語。
タイトルとマッチしているのと、違うところからフォーカスされているのが面白いと思った。
沖縄出身なので戦争について小さい時から勉強させられていましたがこういう映画もまた勉強になるなと感じました。
確かに残酷な描写とかはあまりないが、本当にこういうマイルドな感じで過ごされたのかなぁと。
今コロナで死と近い状況下の中どうでしょうか?
出来ることはして、その中で普通に暮らす。
そんな感じ。
すずの天然な優しさや、前向きな思考、行動、知恵と私に必要な事が沢山詰まった映画だと思いました。
ここからネタバレを含みます
妹さんはピカドンで腕にあざができて、結果亡くなるのか?
最後の今までにない残酷に表現された死体は戦争の悲惨さを描写したのかなと感じました。
後清水さんは、どういうポジションだったのか、、、。
そこがちょっとわからなかったです。
生きてきた中で最初にすずが自分で選んだ道という意味でしょうか、、、。
また、日本が負けたときにとても悲しくなりました。
日本が勝つに決まっていると思って死んだら勇者!
日本の勝利のための犠牲にありがとう。
って思って生きてきた人の気持ちになったらあれだけでは立ち直れないと思うのです。
それをこのほのぼのした表現であの短いシーンで感じさせれるのが凄い。
後、防空壕の中で耳と目をつぶって口を開かないと目が飛び出すという事を知ったのが衝撃でした。
観て良かったです。
のんさんは素晴らしい。
どんな状況でも庶民は工夫しながら生きていくしかない。だって未来のことはわからないんだから、今のことしか考えられない。この映画は75年前の戦争中の生活を丁寧に描いているが、今も同じだと思った。コロナウイルスという名の戦争。迷走する国家。翻弄される庶民。自衛しながら、家族や近所の人達と協力しながらやっていくしかない。本当にそれしかないのだ。
かなりよかった。
とりあえず、観てほしい。