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リベリアの白い血 Comments (8)
おろかな私でした。
ゴム農園のプランテーション、ブリジストンの子会社ファイアストン、ストライキ、移民、イエローキャブ。遥かかなたのボンヤリとしたアフリカは、私の中で具体的にくっきりと像を結びました。
普通の人々が、普通に生活し会話し、普通に豊かさを求め、普通に幸せを願う。
私とつながった感覚を覚えます。
アフリカからアメリカに居を移しても、最底辺の生活。
特別なエンディングがある訳ではなく、何の救いもなく生活は続いていく。安易な意味づけを拒む、監督の意志を感じます。
いい映画です。
まるでドキュメントのような映画。リベリアの現実とアメリカ移民の現実を描いている。全編を通して大きな事件は起こらない。ラストのタイヤ交換のシーンをどう考えるか、冒頭のゴムの木からのゴムの採取のシーンと「ゴム」つながりかなとも思うけど。
淡々とリベリア人の主人公の生活を描いていて、ドキュメンタリーのようだった。違うのは、彼が自分のことを一切語らないところ。彼の顔色や視線や背中や 首筋にその心を映し出している。カメラがかなり揺れたりして不安定なので(おそらく意図的に)少し酔うかも。それほどのハプニングは起きないので、物足りなく感じる人もいるかな。私はあのゴムのように映画の印象があとをひいて、彼の地に想いを馳せて考えさせられたので、好きなタイプ。
映像が美しいし、音も綺麗。そして、舞台挨拶で福永監督もおっしゃっていたように、「人の逞しさ」がすごく描かれていました。
映画は世界を知り、人を知ることのできる素晴らしいものなのだと、この映画を見てしみじみ思いました。
素晴らしい映画でした!ぜひたくさんの方に観ていただきたいです。
補足:
「リベリアの白い血」でなくて、「リベンジの白い皿」だとタイトルを勘違いしたまま、見に行きました。英語タイトルは「out of my hand」といい、深い意味があるそうです。血がいっぱい出るような描き方は全くなかったです。