ライオン
プロット
アメリカ
Feb,09 1963 EN LOS CINES
ライオンと呼ばれた男
プロット
フランス・ドイツ合作
Apr,20 1991 EN LOS CINES
メグ・ライオン
プロット
日本
Sep,04 2020 EN LOS CINES
Mr.ライオン
プロット
アメリカ
Apr,12 1966 EN LOS CINES
風と樹と空と
プロット
日本
Jul,12 1964 EN LOS CINES
柳と風
プロット
イラン・日本合作
Jan,01 2001 EN LOS CINES
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風とライオン Comments (4)
「ペディカリス(バーゲン)の生還か、ライズリ(コネリー)の死を」などと演説でぶちまけるセオドア・ルーズベルト(キース)。ずいぶん前からアメリカには“テロには屈しない”というテーマがあったんだな。
『アラビアのロレンス』を作りたかったのかどうかわからないが、アラブ人の偉大で崇高な部分を前面に打ち出した作品。単なる山賊としてのイメージを持たせる前半と、モロッコのリフから外国人部隊を一掃させたかった民族自決主義的な男気を感じさせる後半。隣村(?)の部族にも裏切られて、人質を返しに行く面々だったが、待ち構えていたドイツ、ロシア、フランス軍兵士たち。そこでペディカリスが「ライズリを釈放する」と言ったルーズベルトは約束を守るはずよ!などと騎兵隊を説得。子どもたちも勇敢に銃を奪ったりして兵士たちを納得させた。戦闘シーンの派手さよりも、このハイアム君似の少年ウィリアムがなかなかよかった。「僕は盗賊になるんだ」などと、楽しかったライズリたちとの旅を思い出すシーン・・・
アメリカ帝国主義の若干の皮肉と、モロッコ襲撃事件をモチーフにしたルーズベルト賛辞の映画かと思っていたが、最終的には軍隊による虐殺よりも一対一の男らしい戦いを描いた作品だった。そして“風とライオン”の意味が途中までわからなかったが、最後にルーズベルトに宛てたライズリの手紙によって明らかになる。1つの地に留まって祖国を守るライズリ自身をライオンに喩え、ルーズベルトはあちこちと領土を増やそうと砂嵐を起こす風なのだと・・・ただし、アメリカもアラブも称えるような内容になってしまってるので、テーマがはっきりしない・・・
特にアメリカ海兵隊のサルタン宮殿への進軍と突撃シーンは素晴らしい
流石はミリアス監督らしいアクションシーンの連続
モロッコとアメリカの二つのパートで物語が進む
モロッコが当然のこと主、アメリカが従であり、ライズリとルーズベルトとの男の対比という構造
しかし必要以上にアメリカパートが多い
しかしミリアス監督が描こうとしたのは実はアメリカの行動スタイルだったのではないかと思う
舞台は1904年、日本海海戦の前年の頃のモロッコ
ライズリがやろうとしてることは、日本でいえば尊皇攘夷だ
主張していることは同じだ
モロッコで行われる軍事行動は、日本でいえぼ薩英戦争に相当するようなものだ
日本はその50年前にこの段階を経験していたわけだ
そしてルーズベルト大統領の誕生パーティーに祝辞を述べる日本人外交官を登場させる
このシーンがなぜ必要なのか
監督の意図はモロッコで進行している物語はモロッコだけの話ではなく、世界のどこでもいつでもアメリカの行動スタイルとして普遍的なことなのだということを述べたかったのだと思う
その意味合いの台詞をルーズベルトに喋らせてみせてもいる
夫人の最後の行動は現代で言えばストックホルム症候群でみもふたもない
しかしショーンコネリーの男性の魅力が圧倒的で夫人のその行動に説得力が十分でた
夫人の子供の男子に憧れの視線をさせるなどだめ押しまでかけている
それぞれの立場と事情があるが、義の心を持った男たちが時には命を懸けて信念を貫こうとするのを、西欧とアラブの情勢をモロッコの砂漠地帯を舞台にして国際情勢も含めて描く話だった。ショーン・コネリー演じるライズリが何かするのはまだわかるが、ペデカリス夫人やアメリカ軍の大尉が命の危険を冒してまでライズリを救出しに行くのは綺麗ごと過ぎるように思える。恰好のいい男たちの活躍は爽快だが、同時にちょっと非現実的でくさいし、それは政治的な西欧とアラブの対立の構図という点でも同様。でもアラブ男が主人公の西洋映画で珍しいし、彼のアラブらしい誇りと信念が見れたので良しとしよう。