トラベリング・ウィズ・ゲバラ
プロット
イタリア
Feb,11 2005 EN LOS CINES
チェ・ゲバラ 人々のために
プロット
アルゼンチン
Dec,14 2002 EN LOS CINES
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ゲバラ! Comments (1)
ゲリラ軍を率いていたフィデロ・カストロ司令官。医師として参加していたチェ・ゲバラも隊のお荷物のような扱いだったが、彼の意見に徐々に耳を貸すようになり、やがてゲバラが頭角を顕すようになっていく。計画したハバナ急襲作戦が成功してキューバに新政府樹立した革命軍であったが、「2年かけてハバナを制圧したが、2日で飽きた」と愚痴るゲバラ。彼の心はボリビアに向いていて、世界革命を成そうという夢想家たるキャラを印象づけている。少々やけっぱちになった一面も表し、「アメリカに対抗したければソ連に核基地を作らせればいい」と口走ったりする。しかし、結局は「アメリカ帝国主義かソ連帝国主義のどちらかに隷属してしまう」ことになると混乱するゲバラ。カストロとの意見の違いも露わになってくる。そう、結局ゲバラにはキューバ愛がなかっただけなのだ。アルゼンチン生まれの彼は南米全てに人民革命をという大きな夢が邪魔してたにすぎないのだった。
結局は母国愛、愛国心が無ければ人民の心は掌握できないと主張するカストロに反対して、海外へと逃亡するゲバラ。ボリビアでも貧しい農民たちは迫害されているはずだ。と、彼らを解放しようとキューバの時と同じくゲリラ戦を繰り広げるのだ。
祖国愛溢れるボリビア農民にはゲバラの思想が伝わらない。軍のクーデターで政治が腐敗していたところで彼らの地味な平和には影響を与えていなかったのかもしれない。貧乏でもいい。戦争にさえ巻き込まなければ・・・むしろ農民たちのほうが現代的であり、反戦平和を願っていただけなのだと思う。多分、徴兵されたり、増税で苦しめられたりすることさえ無ければ政府が誰であってもかまわない。だから、森の中で銃を撃つゲバラを嫌っていた。
全体的にはゲバラの反国家主義が打ち出されているものの、ゲバラ著「ゲリラ戦争」がバイブル的な影響力を持ち、軍事政権幹部でさえ読んでいたため、同じ手法でゲバラが拘束されることになったのだ。自分の書いた書によって殺されるという、なんたる皮肉。結局のところ、“革命の父”にはなれたが、“革命の神”にはなれなかったというところか・・・かなり中立的、客観的には描いているが、虚しい死に方をどうとらえるかは個人の自由だ。ただ、ゲバラがボリビアを選んだことだけは間違っていたと重く伝わってくる。