ニューヨークの休日
プロット
アメリカ
Apr,19 1964 EN LOS CINES
トスカーナの休日
プロット
アメリカ
Jun,12 2004 EN LOS CINES
フェリーニのローマ
プロット
イタリア
Oct,28 1972 EN LOS CINES
ローマの女
プロット
イタリア
Nov,01 1955 EN LOS CINES
東京の休日(1991)
プロット
日本
Nov,02 1991 EN LOS CINES
ローマの哀愁
プロット
アメリカ
Jul,07 1962 EN LOS CINES
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ローマの休日 Comments (20)
あまりにも有名な、映画史に永遠に残る作品であることは今更言うを俟ちません。
ただ冷静に観ていると、実に他愛ない取るに足らないストーリーです。言わばローマ観光地巡りというような、単なるご当地PR映画という類のスジなのですが、何故だか観終えて心が温まり、活力が漲ってくる気がします。
映画全体に気品があり、洒脱な雰囲気に満ち、優雅な気分に酔わせてくれる。それは何よりも、本作が銀幕デビューだったオードリー・ヘップバーンというキャスティングに尽きると思います。彼女の醸し出す可憐で清楚で上品な美しさが、この作品全体をまろやかに包み込んでいます。
67年前の映画とはいえ、「笑って」、「泣いて」、そして「(手に汗)握る」という映画に求められる三要素がナチュラルに詰まった、映画として完璧な出来に仕上がっていることが判ります。而も、その展開のテンポが実に心地良い。
あまり寄せカットがなく、更に変則的なカット割りやパンもないので、観客は全く緊張感なく寛いだ気分で安楽に弛緩した心持ちで映像を眺められます。
本作は、単に軽妙なだけではありません。
基本的にはラブロマンスですが、甘く陶酔するだけでない味わいを感じるのは、オードリー演じるアン王女が、少女Girlから淑女Ladyに蛹化し羽化していく通過儀礼プロセスを、2時間の儀式ドラマとして描いているためです。
アン王女にとって、ローマでのたった一日の”休日”は、単純なアバンチュールではなく、決められた通りに振る舞うだけの子供だった少女が、確固とした自我を持ち己の判断で行動する大人の女性に脱皮する、崇高で厳粛な成長譚であった、といえます。
寝所を抜け出す際のコミカルさが、戻る処の堂々たる重厚さに描き方が明らかに硬質化しているのは、その証左です。
この奥行きの深さゆえに、本作は永遠の名作として、これからもその名を留め続けることでしょう。
タクシー運転手やアパートオーナーなど細かな所までキャラクターや演出が行き届いていて、見応えもある。
もちろん、禁断の、叶わぬロマンスは言うまでもなく素晴らしい。
オードリーが美しいだけではない!!
初めての冒険、
初めてのボッチ…初めての”(いたずら)仲間”。
初めての、淡い、恋?憧れ?
でも、その裏で陰謀うごめき…。
そして、心地いい、切ない終わり方。
切なさが、想いを宝石にして、”信頼”という布で磨かれて包み込まれる。永遠に、大切に…。
そんな物語が、
品のある立ち振る舞い、きれいな言葉によるやり取り、清潔感あふれる豪華すぎないファッション。
当時は最新だったのかな?バイクと言い、車と言い、カメラと言い、今ではアンティックな物。インテリア・エクステリア。
そして憧れの観光地・ローマで繰り広げられる。
鑑賞する度に、はまるポイントが変わる。
ただひたすらに、王女による小さな冒険に胸ときめかせた子ども時代。
あんな恋に憧れて、旅に出ては似たようなシチュエーションを期待した若かったころ。
いろいろな経験を積んで、心に残った「人生、ままならないものだ」という言葉。王女の変わっていく顔つき。ジョーの切ない、でも清々しい表情。児童文学の名著カニグズバーグ氏作『クローディアの秘密』にも似た感銘。
そして今何度目かの鑑賞では第三の人:アーヴィングにやられた。持つべきものは、ウィット・ウェットのわかる友達…。温かいものが広がっていく…。
Wikiによると、最初は、キャプラ監督で、エリザベス・テイラーさんとケリー・グラント氏で制作される予定だったという。
キャプラ監督。この映画の原型ともいわれる『或る夜の出来事(1934年)』の監督。家出したお嬢様と、それをスクープしようとした新聞記者の話。一難去ってまた一難。二人の心模様の変化、すれ違いが面白かった。もし、こちらの映画もキャプラ監督が撮っていたとしたら、どうなったのだろう。
DVD特典によると、あえて、カラーじゃなく、白黒で撮ったそうな。
その意図は忘れたけれど、白黒画面によってその品格が際立ち、”夢物語”であることを印象づけてくれる。(妙に生々しくない)
役者もすごい。
オードリーさんのすばらしさは、誰もが異存のないところ。
グレゴリー氏もすばらしい。コメディタッチでも下品にならない格好良さ。プラス、懐の深さ。オードリーさんをエスコートしているような立ち位置に徹しつつ、そこに彼がいないと絵にならない。そして、全くの無名の女優オードリーさんの魅力が最大限に表現できるように、演技・演出を監督と工夫するだけでなく、その実力を認めて、自分と同じようにクレジットされるように取り計らう懐の深さ。
この二人にエディ氏。この方の善人ぶりが、二人をさらに輝かせる。
監督もすごい。
完璧主義者と聞く。スペイン広場の時計映像に残るように、各シーン、取り直しの鬼なのに、全編を通して、”やらせ”のような舞台じみた個所はないどころか、一発撮りしたかのようなオードリーさんのフレッシュな魅力にあふれている。そんな演出に応える役者やスタッフもすごいのだけれど。
そして、脚本。
籠の中から飛び出して、真の心の自由を手に入れる物語。しかも洒脱なやりとり・展開にあふれている。
幾重にも鑑賞できる不朽の名作。
年月を経ても色あせない古典だけが持つ味わい。
こんな素敵な映画を作ってくれて、保存してくれて、修復してくれて、ありがとう。
大人も子どもも心が躍るおとぎ話。
永遠の名作です。
1953年公開。チャップリン「ライムライト」公開の頃。
不朽の名作ですね。ざっくり感想。
◎よかった点◎
・所々見聞きしてて、「ラブコメなんだろうな」と観てなかったけど。
ハプニングで城から出てきたアン王女と、偶然出会った新聞記者ジョーのやりとりが。
いやいやどうしてハラハラドキドキ、コミカルな面も多く。
それでいてちょっと胸キュン。
飽きさせない展開が、実に興味深く時間もあっという間の2時間。
・見たのは多分リマスター版。
だからか、白黒映画のシンプルさが際立ってました。
ストーリーもシンプルだしね。
・ヘップバーンの輝きは、もうキリッ&キュート満載ですが。
実はグレゴリー・ペックの紳士ぶり(出てるの知らなかった)も、めちゃくちゃかっこよかったです。
△いまいちな点△
・なし!
いやー予約消さずによかった。こんないい作品見ずに、映画好きって言ってたのが恥ずかしいくらい。
それくらいナイスな作品でした。
ちょい涙もうるっと。女の子だもん、ね。