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ヘルボーイ ゴールデン・アーミー Comments (20)
人間と協働する悪魔であるヘルボーイ等が、人間に攻撃を目論む魔人の王子と戦う。王子は無敵のゴールデンアーミーを起動させるが、彼の妹の自己犠牲によって死に、ゴールデンアーミーも永遠に封印される。
ヘルボーイは戦いの中で妻が自身の生きがいであると気づき、属していた組織をやめ、やがて産まれるだろう子供との平和な暮らしを望む。
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全キャラクターが好きです。画面の端に一瞬小さく出てくるやつまで、全部好きです。特に、エンジェルオブデス、おできの赤ん坊、エレメンタル、ヌアラ王妃が好きです。次々目に入るクリーチャーデザインが、この映画の大きな魅力であることは、間違い無いでしょう。エンジェル・オブ・デスはフィギュアが欲しい。私は今までフィギュアなどはあまりコレクションしてませんでしたが、これは欲しいなあ。
ヘルボーイとエイブラハムコンビも良い。表情筋はモンスターだから(というより作り物だからと言ったほうが正しいけど)そんなに細かくないけど、仕草やわずかな動きで豊かに表情をだしていて、味わい深く、良いです。二人が酔っ払って人間味全開なシーンは微笑ましかったです。
今作では、キャラ同士の強い関係性が目立っています。ヌアラとヌアダの絆、ヌアラとエイブの恋愛、ヘルボーイの夫婦関係。この流れだと、イブの産むであろう双子にも、何かしら絆があるんじゃないか、と予感させられます。
アクションにはスピード感がありました。特にヌアダ王子の槍アクション。フツーにアクション映画として楽しめるくらいの勢い。伸縮する長刀というアイディアもキマっていて、他のアクション専門の界隈に突っ込んでいっても存在感放てるくらいだと思いました。
ゴールデンアーミーのギアがスゴイ。やられても再生する敵キャラは映画や漫画で多くありますが、ゴールデンアーミーは部品が自立して動作し復元する機能を持っています。昔の技術で、現代文明でも敵わないくらい優れている例を知ると驚きますが、それに似た驚きが感じられます。現代技術を凌駕するオーパーツとは、ロマンじゃないですか。
最後、ヌアダのところへ向かう動機はイマイチ分かり辛かったです。リズの愛する人への思い、というのは分かるが、そのためならヒトが犠牲になってもいいと言っているように聞こえて、極端に過激な感じがします。敵を封じたままにヌアダを倒せる自信があったのでしょうか?いや、やはりどうも賢い行動には見えず、モヤっとしました。
ギレルモさんの映画全般で共通かもしれないですが、SEがとても良い効果を発揮していますね。ティース・フェアリーのコチョコチョと鳴る体の音、エイブがコンタクトをつける時のパシッという音、剣の振動がキインと響く音、そして肉とか粘り気のあるもののグチョグチョ音。普通なら聞こえないような音でも自然に付けて、とても触覚的に感じさせられます。気持ち悪く感じられる時もありますが、私などはむしろその気持ち悪さを期待してギレルモ作品を観ています。
感覚が倒錯しているわけではないのです。非日常の刺激というか、映画でしか味わえない強烈な体験をしているというのが、ちょっと嬉しくなります。ただしハイクオリティな映画で、というのが条件ですが。
原作未読 前作未見
だがー
展開が超読める&ラスト雑すぎ
え!?炎で冠が!?
じゃあ始めから・・・
以上
ギレルモデルトロらしい世界観で、
気持ち悪いけど愛敬のあるキャラ達で面白い。
MIB的でもありXmen的でもあって、
DC的なダークファンタジーでもあってどの方面からも
楽しめる。
敵の王子もカッコ良いし、
ヘルボーイも相変わらず大人になり切れてないのが良い。
格闘シーンもCGパリパリのアクションじゃなくて、
肉弾戦なのも魅せてくれる。
万人受けはしないだろうけど、
世界観も行き届いててオタク的で僕は割と好き。
デルトロ監督は大好きな作家達を公表しているが、それを作品の中で全開で出す中々面白い監督だ。前作ではラヴクラフト愛が凄すぎて、原作の設定を変えてまで至る所にラヴクラフト作品のエッセンスを出しまくった作品だった。
今作品では彼が愛してやまない宮崎駿作品への愛がちりばめられた作品だ。特に強く出ているのは「天空の城ラピュタ」だ。お話の基本プロットはそのままだし、ゴールデンアーミーはもちろんあのロボット兵達である。面白いのはエルフ達の設定。もちろんエルフ=ラピュタ人である。エルフの王様がパイプだらけの蒸気が上がるストーブの前で鎮座しているのは中々シュールだったが、ラピュタの産業革命時代の世界観から来ていると考えるとなるほどである。そういった視点でみるとこの作品の本当の主役がヘルボーイじゃないのも面白い。彼の半魚人愛はこの作品からも出ているのがよくわかる。
その他にも「もののけ姫」のシシ神は設定そのままで出ているし、この作品のトトロは猫が好きすぎて好物にまでしてしまっている。
特に面白いのは終盤に突然出てくる重要キャラの死神である。死神は漫画版ナウシカに出てくる庭園の主が元ネタである。つまりリズがナウシカ、死にそうなヘルボーイは巨神兵ということだ。これを見てデルトロ監督は漫画版のナウシカまでチェックしているのがわかってしまって笑ってしまった。
ラストの歯車バトルは「カリオストロの城」だし、他にも探せば色々なところに宮崎駿愛を出しているのがわかる作品だ。よくまぁこれだけのネタを取り入れて2時間の作品にまとめたなと関心してしまう。
ただそれ以上に彼のオブジェ愛があふれていていて、元ネタに負けない魅力があり観ているだけで楽しくなってくるデルトロ監督らしい作品だった。
真新しさこそなかったものの一本の映画として、完成されていたし、物語も急展開を見せるので、満足できる一本になっていると思います。