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真・事故物件 本当に怖い住民たち Comments (5)
演技は良かったが。
映画として世に出す為に、多少の盛り付けは許されるけども、過度すぎる。
「事故物件」を安易に思わない方がいい。
殺人や自殺があった部屋に軽い気持ちで、足を踏み入れない方が良い。
幽霊が出る出ない以前に、関係者からは白い目で観られ続ける。
これを観て、変な誤解を招かないかが心配になる。
もちろん今作もタイトルに事故物件とある通り、導入部分としては、そういったものと同じルートを辿っていく。
しかし今作がそれらの作品とは違っている点は、いわゆる「田舎ホラー」にも属しているということだ。『悪魔のいけにえ』『サランドラ』『クライモリ』最近でいえば『ミッドサマー』のように、見知らぬ地に足を踏み入れたときの恐怖が描かれている。
清水崇監督の「村」シリーズも、日本特有の集落や山など人里離れた場所の恐怖もあるかもしれないが、極端に田舎ではなくても、ある町の駅から少し離れたようなボロアパートというのも、事故物件かどうか以前に、独特の雰囲気が醸し出されている。
前の住人が残していったものや、ふすまの汚れ、嫌な物音、変な住人……虫もいれば尚良かったけど、身近にある怖さを感じさせるものが強調されていて、普通に「古い物件怖い!田舎のアパート怖い!」と思ってしまう。
詳しいことはネタバレになってしまうから言えないが、『悪魔のいけにえ』1作目に似ている部分も多く、意識しているのだろう。
儀式のために人間を殺していき、その過程で人間の人体を解体していく。そんなショッキングなシーンも多く、なにしろ佐々木勝己監督の長編デビュー作『星に願いを』は映倫検閲に引っかかったほどということもあって、海外ホラーリスペクトを日本でどう表現しようかの葛藤が伝わってくる。
『片腕マシンガール』『東京残酷警察』のような、海外マーケットに向けた作品ではなく、全体的なプロットは筋が通っていて、あくまで日本向けに作られているという点が逆に表現規制を強めてしまっている感じがしてならない。
さらにラストの演出はタランティーノ的ではある。海外映画リスペクトを国内向けのプロットで表現しようとしているからこその難しさも感じてしまった。本当はもっとやりたいことがあったのだろう……。
個人的には、冒頭のRaMuが「以前、手相見られてましたよね?」って言ったときの島田秀平の真顔も怖かった。